法律のタネ(法律案)が 国会 に持ち込まれ、2つの議院(衆議院・参議院)でそれぞれ話し合われる。 両方が「OK(可決)」と言えば 成立。世に知らせて(公布)、いよいよ スタート(施行)。
ぜんたいの流れ
上から下へ、法律案がたどる道のりです。
一歩ずつ、くわしく
それぞれの段階で、何が起きているのか。
法律案をつくって、出す
法律のタネ「法律案(法案)」を国会に持ち込みます。出せるのは2者。内閣(政府)が出すものを「閣法」、国会議員が出すものを「議員立法」と呼びます。内閣が出す場合は、その前に大臣たちの会議で「閣議決定」をしてから提出します。
閣議決定=内閣としての正式なゴーサイン委員会で、じっくり審査
いきなり全員で話すのではなく、まず分野ごとの専門チーム「委員会」が中身を細かく調べます。説明を聞き(趣旨説明)、質問し(質疑)、意見を述べ(討論)、賛否を決める(採決)。重要な案件では、外部の専門家から話を聞く「公聴会」も開かれます。
委員会=法案の中身を専門的に調べる場本会議で、賛成か反対か
委員会を通った法案は、その議院の議員ぜんいんが集まる「本会議」へ。委員長が審査の結果を報告し、最終的に採決します。出席議員の過半数が賛成すれば「可決」。重要な案件では、誰がどう投票したかを記録する「記名投票」が行われます。
可決=その議院が「OK」と決めることもう一方の議院でも、くり返す
日本の国会は衆議院と参議院の2つ(二院制)。最初の議院で可決されたら、もう一方の議院に送られ、また委員会→本会議をたどります。2つの議院で別々にチェックすることで、慎重に決めるしくみです。
二院制=2つの議院でダブルチェック両方が可決 = 成立
衆議院・参議院のどちらも可決すると、法案は晴れて「法律」になります。これが成立。ニュースで「〇〇法が成立しました」と流れるのは、この瞬間です。
成立=法律として正式に決まった状態公布 = みんなに知らせる
成立した法律は、天皇が国民に向けて公表します。これを公布といい、「官報」という国の広報紙に載せて正式に知らせます。「決まったよ」と世間にお披露目する段階です。
公布=法律ができたことを公表する施行 = いよいよ効力スタート
公布されても、すぐ効くとは限りません。実際に効力を持って動き出す日を施行といいます。「公布の日から」のこともあれば、「半年後から」「来年4月1日から」と決められていることも。ここで初めて、私たちの生活にルールとして関わってきます。
施行=法律が実際に効きはじめるもっと知りたい人へ
2つの議院の意見が食い違ったら、どうなる?
衆議院と参議院で結論が割れたら?
2つの議院でいつも意見が一致するとは限りません。割れたときの調整方法が、憲法で決められています。
① 両院協議会をひらく
両院から10名ずつが集まって妥協点を探す話し合い。法律案の場合は「開くこともできる」任意の手続きです。
② 衆議院の3分の2で再可決
参議院が否決しても、衆議院がもう一度出席議員の3分の2以上の賛成で可決すれば、法律として成立します。これが「衆議院の優越」と呼ばれるしくみのひとつです。
③ 60日ルール
衆議院が可決した法案を参議院が受け取って60日以内に議決しないとき、衆議院は「参議院が否決した」とみなすことができます。
「衆議院の優越」って、なぜあるの?
衆議院は参議院より任期が短く(4年)、解散もあるため、より新しい民意を反映していると考えられています。そのため、意見が割れて決まらない事態を防ぐために、法律案・予算・条約・首相の指名などで衆議院の判断を優先するしくみが設けられています。
ただし、これは「いつも衆議院が勝つ」という意味ではありません。多くの法案は、両院がきちんと合意して成立しています。
このページに出てきた言葉
- 法律案(法案)
- 法律の案。国会で話し合った結果、修正されたり、認められないこともある。
- 閣法 / 議員立法
- 内閣が出す法案が閣法、国会議員が出すのが議員立法。
- 付託(ふたく)
- 議長が、その法案にふさわしい委員会へ審査を任せること。
- 採決
- 賛成か反対か、最終的に数で決めること。
- 可決 / 否決
- OKと決めるのが可決、NOと決めるのが否決。
- 二院制
- 議会が2つの議院(衆議院・参議院)でできているしくみ。
- 会派
- 国会の中で行動を共にする議員グループ。多くは政党が中心。
・参議院「法律ができるまで」 sangiin.go.jp
・参議院 キッズページ「国会のしくみと法律ができるまで」 sangiin.go.jp/kids
・衆議院「法律案審議の流れ」 shugiin.go.jp
・内閣法制局「法律ができるまで」 clb.go.jp
※ このページは上記の公的資料をもとに、わかりやすさを優先して再構成したものです。正確な手続きは各一次ソースをご確認ください。